土を知る・植物を育てる

第3章 基本の基本【用土の組み合わせ方】

1種類の用土だけでは植物の生育に必要な条件が満たされない時、用土の組み合わせが必要になってきます。各用土の科学的・物理的特徴をあわせれば、植物の根に適した用土ができます。

植物の種類ごとに水や空気に対する好みは異なるので、用土組み合わせのベストの方法が1つだけあるわけでもありません。植物の種類や水やりの方法などに応じて、少しづつ変える必要があります。

用土の組み合わせは、「基本用土」に「改良用土」や「調整用土」を組み合わせていきます。実際に各用土を使うとき、赤玉土や鹿沼土の排水性を高めたい時は、ふるいでみじん抜きします。腐葉土やピートモスなど有機質のものは、あまり乾燥させると水になじみにくくなるので注意します。

※当店では、赤玉土、鹿沼土は取り扱っておりません。
 鹿児島県産のさつま土を代用しております。

■組み合わせ例

    • 赤玉土(小粒)50%+くん炭20%+腐葉土40%
    • 赤玉土(小粒)20%+軽石20%+パーライト10%+くん炭10%+腐葉土40%
    • 庭土20%+軽石20%+赤玉土(中粒)10%+くん炭10%+バーミキューライト10%+腐葉土30%
  • パンジー・ペチュニア・インパチェンス・マリーゴールド・サルビア等、草花一般

    • 真砂土20%+軽石20%+パーライト10%+赤玉土または鹿沼土10%+腐葉土40%
    • 庭土または田土30%+バーミキューライト20%+赤玉土または鹿沼土20%+腐葉土40%
    • 庭土または田土30%+ピートモス20%+腐葉土30%+赤玉土または鹿沼土20%
    • 赤玉土または鹿沼土40%+腐葉土40%+パーライト20%
  • 朝顔・テッセン・キキョウ等

    • 庭土または田土30%+軽石20%+バーミキューライト20%+腐葉土30%
    • 赤玉土または鹿沼土30%+真砂土30%+腐葉土40%
    • 庭土または田土40%+パーライト20%+ピートモス20%+腐葉土20%
  • サツキ・ツツジ・梅・バラ等、花木一般

    • 鹿沼土(ふるい微塵抜き)80%+腐葉土20%
    • 庭土または田土30%+鹿沼土または赤玉土50%+腐葉土20%
  • 球根一般

    • 赤玉土(小粒)60%+ピートモス10%+腐葉土30%
    • 庭土または田土40%+軽石20%+バーミキューライト20%+腐葉土20%
    • 庭土または田土20%+赤玉土または鹿沼土20%+ピートモス20%+パーライト20%+腐葉土20%
    • 庭土または田土30%+軽石30%+バーミキューライト20%+腐葉土20%
  • トマト・ナス・キュウリ・ピーマン等、野菜一般

    ※調整用土として、プランター植えは、腐葉土・完全発酵バークを使います。
    ※露地植えは完全発酵バーク、牛糞堆肥(完全発酵の)を使います。
     
    • 庭土または田土40%+バーミキューライト20%+バーク等40%
    • 庭土または田土30%+ピートモス20%+パーライト20%+バーク等30%
    • 庭土または田土30%+バーミキューライト20%+川砂20%+バーク等30%
  • 洋ラン一般

    • 軽石または日向土中粒60%+ラン専用バーク40%
  • 白竹・観音竹・ゴム等

    • 川砂60%+赤玉土(大、中粒)20%+腐葉土20%
    • 川砂60%+軽石20%+腐葉土20%
【ご注意】

上記は代表的な植物用土の組み合わせの仕方です。ただ、植え付けの場所や庭土の土質によって組み合わせが違ってきます。

日本は雨が多くアルカリ分が土の奥底に流されてしまい、土は「酸性」であるのが普通です。庭に植える植物の多くは多少の酸性の土を好みます。ただ近年は様々な理由から、「アルカリ性」の庭が増えています。
土が「アルカリ性」だとたいていの植物は巧く育ちません。土の「PH」値が7だと「中性」といいます。一般的に、PH(ペーハー)値が「6〜7」の間にあれば理想的な用土といえます。

そこで、代表的な基本用土・改良用土・調整用土の「PH値」を記しておきますので、皆さんで計算してその場所にあった用土を組み合わせて下さい。

赤玉土 PH5〜6 腐葉土 PH6〜7
鹿沼土 PH5〜6 完全発酵バーク PH7〜7.5
軽石(パミス) PH7〜7.5 牛糞堆肥 PH8〜9
日向土 PH7〜7.5 ピートモス PH3〜4
パーライト PH8〜8.5 バーミキューライト PH6.5

一般的に日本の土質は粘土質が多くあります。そのため粘土分が多いとき、バーミキューライトやパーライト等の粒の大きい土を混ぜて、粘土の含まれる割合を小さくします。

腐葉土、ピートモスなどの有機分を混ぜるのも良い事です。混ぜる分量は、つちをにぎってみて容易にくずれる程度、あるいは全く団子状にならない程度まで混ぜます。

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